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コンクリートを劣化させる原因4選

建物や橋、上下水道など、さまざまな構造物はコンクリートによってできているケースが珍しくありません。一見すると丈夫で耐久性が優れているように感じられるコンクリートですが、長い歳月が経つにつれて劣化してくることもあります。

コンクリートの劣化はさまざまな原因によって起こるものですが、具体的にどういった原因が考えられるのでしょうか。今回はコンクリートを劣化させる主な4つの原因について詳しく解説します。

気付かないうちに劣化が進むコンクリート

 

コンクリートは木材などに比べて固いことから、耐久性に優れメンテナンスは必要ないと考える方も少なくありません。しかし、実際にはそのようなことはなく、定期的なメンテナンスをしていないと気付かないうちに劣化が進んでいるケースも多いのです。

一般的にコンクリートの耐用年数は50年程度とされていますが、構造物の立地や使用状況、周囲の環境などによっては数十年程度で劣化が現れてくることもあります。

仮にコンクリートが劣化してきたとしても、表面に亀裂が生じたり、色が変化してきたりすれば見分けもつきやすいでしょう。しかし、必ずしもこのようなケースばかりとは限らず、内部に亀裂が生じ気付かないうちに劣化が進んでいることも多いのです。

コンクリートを劣化させる主な原因

 

では、今回の本題であるコンクリートを劣化させる主な原因を4つ紹介しましょう。

1.摩耗・衝撃

コンクリートを劣化させる大きな要因のひとつに、摩耗や物理的な衝撃が挙げられます。特に橋や上下水道、川の堤防などは、水流そのものがコンクリートに摩擦を与え、長い年月をかけて浸食していくケースがあります。

また、特に流れの速い川に建っている橋や堤防などは、水と一緒に石や岩などの鉱物も一緒に流れてきて、それがコンクリートにぶつかることで衝撃を与え劣化を早めることもあるのです。

2.塩化物イオン

塩化物とは、塩素とさまざまな物質によって形成された化合物のことです。塩化物イオンはコンクリートだけでなく、鉄をはじめとした金属を腐食させる原因にもなる物質で、特に潮風が届きやすい沿岸部では「塩害」という言葉でも表現されます。

さらに、雪が降ったり路面が凍結したりすることが多い地域では、道路に融雪剤が撒かれることもありますが、塩素を含んだ融雪剤を使用していると塩化物イオンによってコンクリートの劣化を早めることにもなります。

3.凍結溶解

凍結溶解とは、コンクリートの内部に浸潤した水が凍結した際に体積が膨張し、内部から亀裂や割れを引き起こす現象のことを指します。

そもそもコンクリートを顕微鏡で見てみると、無数の小さな隙間が空いていることが確認できます。このわずかな隙間に水が侵入し、その状態で気温が低下すると凍結溶解を引き起こし、結果としてコンクリートの劣化を引き起こすことがあるのです。

凍結溶解は気温が氷点下まで下がる寒冷地で起こりやすいことはもちろんですが、冷凍設備が整った倉庫などでも想定される原因といえるでしょう。

4.乾燥凝縮

乾燥凝縮とは、コンクリートが乾燥する際に表面と内部の体積に歪みが生じ、亀裂や割れを引き起こす現象のことです。そもそもコンクリートは、セメントに水や砂利などを混ぜ合わせた後で固めて施工しますが、表面と内部の水分を均一にさせるためにはゆっくりと乾燥させなければなりません。

施工を急ぐあまり急激に乾燥させてしまうと、表面は乾いているのに内部はペースト状のままとなってしまい、体積に歪みが生じます。

乾燥凝縮は施工時に誤った乾燥方法をとった場合はもちろんですが、雨が降った後に炎天下になるなど、極端な気候が続いたときにも劣化を早める危険性があるのです。

コンクリートの劣化による事故を未然に防ぐために

上記で紹介してきたコンクリートを劣化させる4つの原因以外にも、当然のことながら施工方法が適切でなければ劣化を早めてしまうこともあります。

また、コンクリート資材を保管する環境も重要です。風雨にさらされる場所に長期間放置しておいたり、大量の資材をコンクリートの上に乗せたままにしておいたりすると、施工方法に問題がなかったとしても短期間でコンクリートの劣化が現れることもあります。

劣化しているコンクリートは、わずかな亀裂や隙間から水が漏れ出すことも多いため、施工前の段階で異常がないかを検査しておくことも忘れないようにしましょう。

さらに、コンクリートでできた建物や橋などの構造物は、完成した後も定期的なメンテナンスを続ける必要があります。適切なメンテナンスを怠ってしまうと、コンクリートの劣化が原因で重大な事故につながるリスクもあるため十分注意しましょう。

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