マクロセル腐食とは
マクロセル腐食(まくろせるふしょく)は、金属構造物や設備において発生する一種の腐食現象です。特に鉄や鋼などの金属に対して起こりやすく、大きな面積にわたって広がる腐食現象を指します。マクロセル腐食は局所的な腐食よりも広範囲な被害をもたらすことが特徴的です。
マクロセル腐食は以下のような状況で発生することがあります:
- 酸性環境:金属が酸性の環境にさらされると、電子が供給される場所(陽極)と電子が受け取られる場所(陰極)の間に電気化学的な反応が起こります。酸性条件下では、陽極の腐食が進行しやすくなります。
- 塩水や湿気:海洋環境や塩害のある地域で金属が長期間にわたって湿気にさらされると、腐食が進行しやすくなります。
- 電気的な酸化還元(電気的腐食):金属が電気的に接触している別の金属や電解質によって腐食が促進される場合があります。
マクロセル腐食が進行すると、金属の表面が大きな範囲で侵食され、金属の強度や耐久性が低下します。建築物の鉄骨、橋梁、海洋構造物、パイプラインなどのインフラストラクチャーにおいて、マクロセル腐食による損傷が問題となることがあります。
マクロセル腐食の防止には、適切な防食対策や防腐処理、定期的な点検・メンテナンスが重要です。