NETIS登録 KT-180077-A・セルガード
高浸透性鉄筋防錆材ペガサビンは
1)コンクリートの表面に塗布して中の鉄筋を防錆します。(主として建築)
2)モルタル(専用モルタル:ペガモル)に混和して、マクロセル腐食を防止します(主として土木)
浸透力を高めた防錆剤(亜硝酸イオン)をコンクリートの表面に塗布して、コンクリートに浸み込ませ、コンクリート中の鉄筋の表面に不動態を形成して鉄筋の錆の進行を阻止します。
※コンクリート表面にペガサビンを塗布します。実際のペガサビンは無色です。
鉄筋の鉄部の表面に亜硝酸が作用して、約3nmの不動態皮膜を形成して、防錆するものです。この皮膜はステンレスの皮膜と同様の効果を持ちます。これによって錆びた鉄を再び元に戻すものではありません。実験による比較写真が示すとおり、ペガサビン入りの場合は6ヶ月後でも錆が発生しません
不動態皮膜形成の一般的な説
Fe(OH)2+H2O+NO2- → Fe(OH)3+NO+OH-(1)
Fe(OH)3+O2→Fe2O3・nH2O(γ型不動態皮膜)(2)
(1)は還元反応、(2)は酸化反応である。
ペガサビンなし ペガサビンあり
ダンボール紙は防水されていますが、塗布直後でもペガサビンは直ちに浸透を開始しています。
30分後には、水はまだ水滴状になっていますが、ペガサビンは乾燥状態です。
桟橋の梁側面にローラーにて塗布したもの。塗布量は2回塗布したが、1回の塗布量は200cc/㎡で2回分では400cc/㎡となる。鉄筋位置はコンクリート表面から9cmの深さにある。
1ppm=1mg/ℓであるから、1㎥中の1000ppmを換算すると、1kg/㎥となる。亜硝酸イオンの防錆効果としては、可溶性塩分量1に対して亜硝酸イオン 0.6 があればよい。これため鉄筋位置で1000ppmの場合は可溶性塩分量1.7kg/㎥、2000ppmでは3.3kg/㎥まで有効ということになります。
一方亜硝酸イオンの有効期間は、下記出典の論文によれば、可溶性塩分量が1.5kg/㎥程度の実構造物に防錆剤を 0.35kg/ ㎡ (350cc/㎡)塗布したとき、防錆期間は16年と推定している。
*1:明星工業;太田他、鉄道総研;鳥取「亜硝酸塩系防錆剤の鉄筋腐食抑制効果と防錆期間の推定」2001/5,pp.61-66
塗布対象 | 平米あたりの標準塗布量(塗布回数計) | 塗布回数 | |
---|---|---|---|
コンクリート、モルタル(土木仕様) | 2.5㎡/ℓ | 400cc/㎡(200cc×2回) | 2回 |
コンクリート、モルタル(建築仕様) | 3.3㎡/ℓ | 300cc/㎡(150cc×2回) | 2回 |
ペガサビン荷姿
16ℓペール缶(PP),4ℓ容器(PE)
補修した周辺が急速に腐食してくる「マクロセル腐食」を防止する工法として、「ペガサビンをモルタルに混和する工法」(セルガード工法)をご提案します。
モルタルに混和されたペガサビンの防錆有効成分が周辺に浸透するため、浸透力を必要とする土木構造物に特に有効です。
※ペガサビンを混和する専用のモルタルもご用意しています。(ペガモルFA)
施工からおよそ60日後にペガサビンが形成する不動態被膜の効果により、電位が-200mVより貴になりました。
自然電位:ペガサビンなし
ペガサビンを混和しない場合はマクロセル腐食が起こり、錆びが進行している。
自然電位:ペガサビンあり
ペガサビンを混和した場合はマクロセル腐食を抑制している。
自然電位 | 鉄筋腐食の可能性 |
---|---|
-0.2<E | 0%以上の確率で腐食なし |
-0.35<E<-0.20 | 不確定 |
E<-0.3 | 90%以上の確率で腐食あり |
(ASTM C876による)
自然電位測定用の試験体