SクリートアップLi

浸透性珪酸塩系リチウム配合コンクリート改質材

高い浸透力と珪酸系リチウムの力でコンクリートを内部から改質

SクリートアップLiは、ナノ粒子の微細な珪酸系リチウムを配合した浸透性コンクリート改質材です。

SクリートアップLiの概要

SクリートアップLiは、ナノ粒子の微細な珪酸系リチウムを配合した浸透性コンクリート改質材です。塗布後素早くコンクリート内部に浸透して空隙を充填し、コンクリートを改質します。経年により中性化の進行したコンクリート、塩害や凍害、アルカリ骨材反応などの微細なクラックが生じたコンクリートを健やかに回復させます。

SクリートアップLiの特徴

浸透性ケイ酸塩系改質材として定評のあるSクリートアップLi(従来製品)をベースに、珪酸系リチウムを配合し、より重点的なASR(アルカリ骨材反応)対策として新たに開発されたのがSクリートアップLiです。寒冷地や沿岸部等の厳しい環境に耐えるコンクリート構造物に対する積極的な回答となります。

ASR抑制効果の向上

ASRの深刻な事例です。SクリートアップLiはリチウム配合のため、ひび割れ注入にもおすすめです。ひび割れ注入の詳細は「Sクリートクラック工法」(後述)をご参照ください。

ひび割れしたコンクリート

防錆性能向上

SクリートアップLiはリチウム配合のため、鉄筋防錆効果に優れています。カルシウムが不足しているため、アルカリ付与剤の「SクリートアップCA」との併用がおすすめです。

その他の効果

防水性能の向上
塩化物イオン抑制性能向上
クラック抑制効果向上
耐摩耗性向上強度増進向上
凍結融解抵抗性向上
エフロ抑制
凍害抑制
塩害抑制
中性化改善
クラック再発抑制効果
既設コンクリートの強度改善
高い止水効果

SクリートアップLiの止水効果

SクリートアップLi止水効果は従来製品Sクリートアップと同等です。より強固な止水効果が必要な場合にはSクリートアップ止水タイプを推奨いたします。
姉妹品の珪酸塩系リチウム配合の「SクリートアップLi-S」はコンクリート表面の半透明着色が可能です。

SクリートアップLiに含まれる珪酸塩成分にはLi2Oが混合されています。Li20は粒子が粗いため(30nmー~1μ)、珪酸塩成分ほど深く浸透しません。そこで表層から数ミリ程度付近でケイ酸カルシウムリチウム膜が形成されます。一種のセラミック膜です。
このケイ酸カルシウムリチウム膜はASR進行中の骨材の反応を抑制し、性能向上に寄与します。
珪酸塩自体は粒子が細かいため(0.7~5nm)より深く浸透します。

※SクリートアップLiは無色透明です。上記の図中の色はイメージです。

コンクリート劣化の主要な原因と症状

乾燥収縮ひび割れ

打設直後にセメントの水和反応が不足すると、密度が低いまま硬化してしまい、水和セメントペーストからの吸着水(ゲル水)の消失が進みます。それに伴い体積の減少によってひび割れが発生します。この現象は「乾燥収縮ひび割れ」(プラスティック収縮ひび割れ)と呼ばれます。

アルカリ骨材反応(ASR)

コンクリートに用いられる反応性骨材がコンクリート内部の水との反応で膨張し、ひび割れを生じる現象。

白華(エフロ)

白華(エフロ)と中性化
白華(エフロ)とはセメントの主成分である遊離石灰が溶出した現象のことです。白華が発生している箇所は必ずひび割れが生じています。ひび割れ箇所を放置すると、ひび割れの拡大、内部鉄筋の腐食、中性化の進行、強度低下などの劣化プロセスが促進されてしまいます。

凍害・凍結融解

凍害
コンクリート内部の水分が凍結融解を繰り返すことでひび割れを生じる現象。降雪地帯や寒冷地に多く見られます。

中性化

中性化と藻の発生
炭酸ガス(大気中の二酸化炭素)がコンクリートの成分と反応し、pHを低下させる現象。経年変化に伴い進行します。表面が中性化すると藻、カビ等の菌類が繁殖しやすくなります。

塩化カルシウムと凍害の複合的劣化

塩化カルシウムと凍害による複合的劣化
積雪地域では塩化カルシウムを主原料とする融雪剤が散布されますが、塩化カルシウムの塩化物イオンがコンクリート内部に侵入すると鉄筋の腐食が促進されます。また、凍結融解によるコンクリートの膨張収縮の繰り返しにより、ひび割れやポップアウト現象などが生じます。

SクリートアップLiの施行手順

準備

  • 温度を確認(5℃以上45℃以下)してください。

養生

  • ガラス、アルミ、化粧タイル、樋、手摺、自動車など。※ガラス部分に付着すると、曇りが生じる場合があります。SクリートアップLiは強アルカリ成分を含有しているため、金属部分に付着しないようご注意ください。

下地処理

  • 大きなクラック(0.3mm以上)やジャンカ等の補修を行ってください。貫通クラックは必ず事前補修を徹底してください。

清掃・洗浄

  • アルカリ洗浄剤を使用し、高圧洗浄機及びブラシ等で施工面のカビや藻などの汚れを落としてください。
    ※酸性の洗剤を使用した場合は、必ずアルカリ性洗浄剤等を用いて適切な中和処理を行ってください。

塗布

  • ローラー、刷毛、噴霧器などを用いてSクリートアップLiを均一に塗布します。飽和状態となるまでしっかりと塗布してください。2回目の塗布は、1回目の塗布完了後、塗布面が乾燥してから行ってください。
    水養生(低圧散水)は不要です。

漏水止水・クラック補修には「Sクリートクラック工法」-施工事例

Sクリートクラック工法(表面被覆工法)は、超微粒子セメント+無機顔料(黒色)と、特殊専用樹脂(特殊ポリマーエマルジョン)で構成されたクラック充填材およびコンクリート素地の表面被覆材です。
コンクリート構造物の維持・補修においてクラック進行拡大抑制と剥離防止、美装を兼ねる効果があります。
コンクリートとの接着性が高いSクリートアップをベースに用いることで、仕上げ層とひび割れ箇所の既設コンクリートとの一体化性が向上し、プラスティック乾燥収縮ひび割れや剥離・剥落を予防できます。ひび割れ部分に起因するコンクリート構造物内部の遊離石灰抑制や漏水止水においても長期的な再発防止効果を発揮します。
SクリートアップおよびSクリートアップLiは1液性(塗布前後の低圧散水が不要)であるため、施工性にたいへん優れています。

1 リブ型コンクリートに生じたクラック

Sクリートクラック工法1

2 クラック箇所のアップ

Sクリートクラック工法2

3 SクリートアップおよびSクリートアップLiを塗布

Sクリートアップがクラック箇所から内部に深く浸透し、コンクリートを改質強化してクラックの進行を抑制すると同時に、超微粒子セメントの接着性を増強。

Sクリートクラック工法3

4 超微粒子セメントを注入

調合した超微粒子セメントをゴムベラ等で摺り込むように注入する。

Sクリートクラック工法4

5 補修直後の様子

Sクリートクラック工法5

6 乾燥

乾燥するとクラック補修個所は目立たなくなります。
※事前に超微粒子セメントを無機顔料(黒色)にて調色しています。

Sクリートクラック工法6

性能試験

土木学会規準JSCE-K572[けい酸塩系表面含浸材の試験方法(案)

塩化物イオン浸透深さ(塩化物イオン深さ比)77%
中性化試験(中性化深さ比)70%
凍結融解スケーリング量(g/㎡)塗布試験体
159.82(g/ ㎡ )
未塗布試験体
370.87(g/ ㎡ )
透水量試験(透水量比)82%
加圧透水性試験(水の浸透深さ)57%
吸水率試験(透水比)79%
ひび割れ透水性試験ひび割れ透水比69%

SクリートアップLi施工実績

SクリートアップLi施工実績

用途別製品一覧