日本の断熱事情
内断熱と外断熱 日本における断熱のはじまり
1970年代のオイルョック以降、日本国内では省エネ概念が出てきて、住宅・建物の断熱をどうするか?という協議が日本で始まりました。当時の日本は建築ラッシュ。建物は早く建てなければならないし、省エネのため、断熱もしなければならないという事情がありました。
外断熱の優位性は明らかでしたが、外断熱は、天候にも左右されるし、コストも高い、工期もかかります。そこで、苦肉の策として、「内断熱」が生まれました。つまり、内断熱をあまり検討しないまま、導入してしまったわけです。その結果、北海道で悲劇的な事件が起きてしまったのです。
海外の断熱事情
実は、欧米では、内断熱という概念すらありません。アメリカ人にも、ヨーロッパ人にも、内断熱って何? と言われます。スウェーデン人からは、内断熱の話をしたところ、クレージーと言われました。つまり、内断熱というのは、日本以外には存在しない概念なのです。
しかも、欧米と日本の気候はかなり異なります。欧米の外断熱工法を輸入して、そのまま使用すればよい、というわけにはいきません。日本の気候にあわせた外断熱が必要なのは明らかです。
日本の気候に適した断熱とは?
そもそも、外断熱は欧米から輸入された概念です。現在も、システムそのものを、海外から輸入してそのまま使用している場合が大半です。しかし、日本の気候は、欧米と比較して、降雨量は5倍。湿度が高く、台風、地震も多い、建物には過酷な環境です。つまり、日本で使用するならば、防水や、耐風圧・衝撃性を加味し、日本の風土、気候に耐えられる外断熱システムに変更する必要があるのです。
現在の状況を観てみますと、湿式外断熱は欧米から輸入したものをそのまま使用している場合が大半で、日本の風土、気候に合わせる、という概念が抜けている場合があります。外断熱システム導入時には、必ずチェックしていただきたいポイントです。
弊社で取り扱っている「フネンダン」は耐クラック性が非常に高いため、外断熱でありながら、日本の伝統的な建築様式である「しっくい」や「土壁」仕上げにも対応可能です。