SクリートアップとSクリートガードの違い
Sクリートアップ(ケイ酸塩系)とSクリートガード(シラン・シロキサン系)含浸材の違い
Sクリートアップは親水性であり、Sクリートガードは撥水性です。
対塩化物イオン対策有効性実験
2種類のコンクリート含浸材(Sクリートアップ、Sクリートガード)をコンクリートに塗布して塩化物イオンの浸透量を測定する実験を行いました。下記グラフは、某国立大学が実施したコンクリートの表面含浸工法の暴露試験結果をグラフ化したものです。
Sクリートアップの特徴
暴露試験の結果に基づくと、未塗布(プレーン) のコンクリートは、Sクリートアップを塗布したコンクリートに比べて塩化物イオンの浸透量が約1.6倍多いという結果となります。未塗布のコンクリートは劣化の進行が短期間に進むということです。
Sクリートアップは親水性のため、塩化物イオン抑制など外部からの劣化原因の侵入抑制の面においては、Sクリートガードにやや劣りますが、海中構造物への塗布が可能です。
Sクリートガードの特徴
Sクリートガードは、未塗布(プレーン) のコンクリートと比較すると塩化物イオンの侵入抑制効果は約5.7倍も高くなります。Sクリートガードは、Sクリートアップに比べて高い撥水効果を発揮し、より強力に表面を保護し、塩化物イオンの侵入を阻害する効果が高くなりますが、海中コンクリートへの使用は適していません。表面の撥水効果が高いため、構造物内部と外部のイオン濃度の差が大きくなるためです。
Sクリートガードは、テトラポッドや海岸護岸のように常時海水面下にはないコンクリート構造物への使用には適しています。また、Sクリートガードは防汚・防藻効果にも優れており、コンクリート構造物の耐久性向上だけではなく、美観の維持にも有効です。
2つの含浸材の特徴を最大化する工法
弊社では、二つの異なる含浸材の特徴を活かし、重ね塗りをする工法(Sクリート工法)を開発しました。両製品の特性を最大限に引き出しながら、少ない工程で短期間にて施工でき、また経年後の再施工も容易であることが特徴です。詳しくは「Sクリート工法」をご覧ください。