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塩化物イオンが原因の海岸・沿岸部コンクリートクラック対策

沿岸部のコンクリートクラック最大の原因は「塩化物イオン」

塩化物イオンがコンクリート内部に侵入すると、コンクリート内部のケイ酸カルシウムと結合し、コンクリートの中性化を促進させます。中性化が進行すると、コンクリートの強度が著しく弱まりコンクリート内部のpHを低下させてしまいます。また、コンクリートのpHが低下すると、鉄筋表面に形成される不動態被膜が脆弱となるため、鉄筋の腐食が進みの発生や膨張の原因となります。また、構造物全体の強度が低下し、コンクリートの爆裂を招く原因にもなってしまうのです。

塩化物イオンに対する対策の要点

海岸・沿岸域におけるコンクリート構造物は常時外部から塩化物イオンが供給される環境にあるため、構造物の耐久性を向上させるにあたり,より積極的な塩化物イオン対策が必要となります。塩化物イオン対策の要点は次の2つです。
●塩化物イオンの侵入を阻止すること
●内部に侵入した塩化物イオンとコンクリート成分との反応を阻害すること

弊社が開発した2種類のコンクリート含浸材(SクリートアップSクリートガード)について、対塩化物イオン対策としての有効性を測定する実験を行いました。

     

表面含浸工法の対塩化物イオン対策有効性実験

2種類のコンクリート含浸材(SクリートアップSクリートガード)をコンクリートに塗布して塩化物イオンの浸透量を測定する実験を行いました。下記グラフは、某国立大学が実施したコンクリートの表面含浸工法の暴露試験結果をグラフ化したものです。

塩化物イオンCl-浸透量グラフ

塩化物イオンCl-浸透量グラフ

表面付着塩化物イオン量

表面付着塩化物イオン量

実験結果からわかること

今回の実験の結果から,コンクリート構造物に表面含浸剤(SクリートアップSクリートガード)を塗布することで以下の効果が得られることがわかります。

  1. 塩化物イオンを表層に留める
  2. 塩化物イオンの内部への侵入を抑制する

SクリートアップSクリートガードのはたらき(実験結果からわかること)

実験結果より、塩化物イオン対策としての表面含浸工法の有効性が照明されました。つまり、SクリートアップSクリートガードはコンクリート内部に浸透し、コンクリート内部の未水和のケイ酸カルシウムや骨材成分中のアルカリ金属類と結合しコンクリートを安定化させます。仮に、塩化物イオンが内部に侵入した場合でも、塩化物イオンの反応を阻害することができるのです。塩化物イオンの結合相手が不在となるため、最終的に気中または水中に放出されます。このようなのメカニズムにより、塩化物イオンの侵入抑制にSクリートアップSクリートガードを用いた表面含浸工法は有効であることが証明されました。

表面含浸工法のメリット

従来のコンクリート構造物の製造工法に対し大幅な変更を加えずに済むという利点があります。構造物の表面全体を塗布することで、従来の規格のコンクリートの耐久性を向上させることが可能となります。

SクリートアップとSクリートガードの性能の違いについては「SクリートアップとSクリートガードの違い」をご覧ください。

     

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